覚えがないのに人から強くあたられたり、空気が読めないと言われたり、コミュニケーションが苦手で人間関係がうまくいかないことはありませんか?
発達障害
生来の脳の働き方により、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態で、自閉スペクトラム症(ASD,小児自閉症やアスペルガー症候群なども含む)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などが含まれます。
発達障害は、近年注目が集まっている疾患で、発達障害とは気づかれずに社会生活上の困難さを抱え、大人になって環境が変わることで日常生活に支障をきたしたりすることがあります。「何度言っても分からない人だ」「努力が足りない」等の誤解を受け、ひどく思い悩んでおられるケースも見受けられます。
また、うつ病等の精神疾患を患っておられ、治療してもよくならないケースでは発達障害が基盤にあることもあります。
自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症では、
- 社会性の障害(抱っこを嫌がる、人見知りしない、一人遊びを好む)
- コミュニケーションの障害(オウム返しでの返答、抑揚に乏しい話し方)
- 想像力の障害(興味関心が著しく偏っている、状況変化が苦手、ごっこ遊びをしない、思い通りにならないとかんしゃくを起こす)
といった3つの項目が特徴的に示されます。聴覚や触覚、味覚への過敏性を示すこともあり、知的障害を合併していることもあります。
IQが高い高機能自閉症(アスペルガー症候群)も自閉スペクトラム症(ASD)にまとめられています。言語や認知の発達の遅れは認められないが、社会性の障害や興味の限局などが認められるもので、通学先や勤務先などの社会生活の場面での、対人関係の構築や維持に困難さを自覚または他覚され、専門科受診に至る場合があります。
障害のために、二次的なうつ状態に陥っている場合もあって、必要に応じて薬物治療を行う場合もあります。本人や家族が障害の特徴を理解することや、職場の理解を得ること、本人の特性に応じた就労支援なども検討されます。
自閉スペクトラム症の代表的な症状
- 人からどう思われるか想像力が乏しい
- 自分の気持ちをうまく表現できない
- 相手の気持ちが理解できない
- マイペースである
- マイルールが多い
- 急な予定の変更にパニックになる
- 場にそぐわない発言をしてしまう
- 冗談が通じず、言われたことをそのまま受け取ってしまう