徐々に悪化するもの忘れが続く場合は、認知症の可能性があります。
厚生労働省の2012年度調査では、65歳以上で認知症の方は約462万人、軽度認知障害(MCI)の方は約400万人と分かっており、65歳以上の4人に1人は認知症またはMCIに当てはまる高齢者にはかなり頻度の高い病気です。
症状としては、進行してしまうともの忘れの症状に加えて、暴言・暴力、怒りやすい、徘徊、眠れない、食行動異常(拒食/過食)、やる気がわかないなどの周辺症状が出現することもあり、日常生活にかなりの影響が出てしまいます。御家族の負担が大きくなってくると、介護疲れによって御家族の生活にも支障が出てしまいます。認知症の周辺症状は精神科でフォローされることが多いため、お気軽にご相談ください。
認知症は、脳内に蓄積するタンパク質(ゴミ)の種類や機序によって、
- アルツハイマー型認知症:もの忘れや物盗られ妄想などを主な症状とする
- レビー小体型認知症:小人や動物が見えるなどの幻視、パーキンソニズムなどを主な症状とする
- 血管性認知症:脳梗塞などをきっかけに急に発症する
などに分類されます。
認知症の種類によって症状や進行の仕方や程度も違い、治療方法も違います。そのため、早期発見と早期治療介入が大切ですし、自覚がないことが多いためご家族や周囲の方々の理解と協力も必要です。
当院ではまずしっかりと症状やきっかけとなった出来事などを伺い、その上で認知症がどのようなものかを丁寧に説明し、基幹病院とも連携を取りながら一人ひとりの状況に合わせて治療を一緒に行っていきます。認知症の方の多くは自覚症状がないため、ご家族にもなるべくご同席頂くことをお勧めしております。
代表的な症状
- 昔のことはよく覚えているが、最近のことは忘れる
- 物忘れが徐々に悪化している
- よく道に迷うようになった
- 財布を盗まれたと騒ぐ
- 小人や動物が見えるように振る舞う
- 怒りっぽくなった・無気力になった
- 幻聴が聞こえる
- 近所を徘徊するようになった
- 過食・拒食になってきた